【技術翻訳・英単語】樹脂・プラスチック

この記事では、「樹脂」に関する英単語を解説するだけでなく、樹脂に関する基本的な知識を解説したり、実際に現場で使える英会話フレーズを紹介していきます。

プラスチックと樹脂の違い

樹脂とプラスチックを明確に区別する定義はありませんが、生産・開発の現場の人たちの会話の中で、大体の区別はされています。 参考としてJISに書かれたプラスチックの説明を見てみます。 プラスチックは、JIS6900では「高分子材料を主原料として人工的な有用な形状に形作られた固体であり、繊維・塗料・接着剤は除外される」とあります。

一方、樹脂は「天然樹脂」と「合成樹脂」に分けられています。

• 天然樹脂：樹木の樹液から採れる粘り気のある天然高分子
• 合成樹脂：人工的に合成された高分子

天然樹脂は「植物由来」「動物由来」「鉱物由来」に大別されます。

プラスチックは成形された固形のもの、合成樹脂を指し、樹脂は天然樹脂と合成樹脂を総括するような、全てを指すような言葉です。 以下のものがあげられます。

植物性の天然樹脂

動物性の天然樹脂

鉱物由来の天然樹脂

熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂

合成樹脂は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の2つに大別できます。

熱可塑性樹脂

可塑性は、固体の物体に力を加えて変形させた後に、力が加わらなくなっても形状が元に戻らない性質のことです。

熱可塑性樹脂は、熱を加えると物体が軟化→溶融→流動することで形状が変形するが、熱を取り除いて冷やすと再度固化し、その後に熱を加えるとまた軟化します。

ガラスや樹脂が変形し始める温度のことは、融点ではなく「軟化点」といいます。

プラスチック製品は様々な物質が混合しているため明確な融点が存在せず軟化点といいます。

熱硬化性樹脂

熱硬化性樹脂は、以下のようなメリット・デメリットがあります。

• 熱が加わっても変形しにくい(分子構造が架橋結合であり分子が熱運動しにくい)
• 高い剛性といった特長を持っている
• クリープ特性に優れている
• 衝撃に弱い、圧力に対して脆い
• 成形性や生産性が低い

熱硬化性樹脂は成形に工数がかかるため、熱可塑性樹脂の方が生産量は多いです。

架橋は、鎖状構造のポリマー同士を化学的に結びつけることで、三次元的な網目状の構造にすることです。

汎用プラスチック、エンプラ、スーパーエンプラ

熱可塑性樹脂をさらに細かく分類すると、汎用プラスチック、エンプラ(エンジニアリングプラスチック)、スーパーエンプラの3つに大別されます。

エンプラは100度以上の耐熱性を持つものとされており、自動車部品、半導体部品、電子部品に使われることが多いです。

スーパーエンプラは150度以上といった高温環境下でも長時間使い続けることができるほどの耐熱性を持っており、こちらも自動車部品、半導体部品、電子部品によく使われています。

エンプラは100度以上の耐熱性を持つものとされており、こちらも自動車部品、半導体部品、電子部品に使われることが多いです。

汎用プラスチックは、フィルムや台所用品、おもちゃや文房具といった身近な製品に使われています。

樹脂製品の大量生産

参照元：Design For Manufacture 

プラスチック製品(樹脂製品)を量産できる装置のことです。